2021.4.18 熱海 透視度7~12m 水温16.8℃
むかーしむかーしあるところに、
「旭16号」という名の砂利運搬タンカー船がありました。
それはもう大きくて、
全長約81m、全幅約18m、総トン数約5,000トンもありました。
旭16号は、
全盛期は砂利運搬船として活躍していましたが、
老朽化が進んできたため、
遠くから運んできた砂利を海上で一時的に保管する、
「保管船」にシフトチェンジしていました。
当時も熱海の沿岸部にあった、
「汚水処理場」を埋め立てするべく、
砂利を過積載の状態でじっと待機していました。
ところが1986年1月30日、
甲板作業員は、船の異音を耳にしました。
慌てた作業員たちは、
すぐさまベルトコンベアで繋がれていた
周囲の砂利運搬船を撤収させたそうです。
その後、遂に限界が来たのでしょう。
砂利積載部分から真っ二つに折れ、
現在の地点で24時間かけて沈んだそうです。
旭16号は、曳船を必要とする砂利保管船だった為、
沈没した時は、エンジンは積載されていませんでした。
エンジンを積載していなく、不安定だった為、
タンカー部分にゴロタが投入されました。
沈没した当時は、さぞ綺麗な船体が残っていたでしょう。
それが年を重ねるごとに、
船体の壁面には、鮮やかなソフトコーラルやウミトサカがつき、
船内部には大量の魚が住み着くようになりました。
僕がダイビングを始めた4年前までは、
旭16号は割と綺麗な形を残していました。
それが、1年、また1年過ぎるたびに、
台風にやられ、船側面の壁はエグれていき、
今ではすっかり壁がありません。
いつまでその姿が見れるのでしょう。
今年の台風でもまた形を変えるんでしょうね。
1年後か、2年後か、はたまた5年後か、
見れなくなる前にたくさん潜っておきたいです・・・。
ゆきや