2019/6/9・井田 透明度8-13m 水温17-20
℃
バチバチと叩きつけていた雨は、僕らが海に
到着する頃にはうっすらと明るい曇り空になっていた。
海は波もなく穏やかで、海底が透けて見えるほどの
まずまずの透明度をのぞかせている。
だがしかし、
前日まで連発していた夏日は完全になりを潜め、
Tシャツ短パン姿では正直冷える・・・。
羽織るものを一枚持って行って大正解。
その前日までの陽気に、
見事に誘いだされた人がいる。
ダイビングでは大ベテランの域に達するザイアン氏。
我々ダイビングのプロフェッショナルの助言を
求めることなく、この日のダイビングスーツを
ドライスーツからウェットスーツに変更したのだ。
経年劣化が進む年季の入ったウェットスーツは
買った当時の厚みを損ない、保温性も下がっている。
水面からどんどん深く潜っていくにつれて水温は、
無情にも1℃また1℃と結局17℃まで下がっていく。
気丈にダイビングを楽しんでいたザイアンさんの顔は
みるみる平静を装う必死の形相になり、
そして温かい水を求めて、水面近くへと浮いていった。
夏を先取りしようと楽しみに・・・
燦燦と太陽のもとアフターダイブのビールを想像・・・
していたに違いない。
自然とは思い通りにいかないもの。
それを受け入れるしかない微力の我々人間を代表して
暖かいシャワーを求めて走り回る蒼白のザイアン氏を、
僕は、忘れない。
アジ不漁につきお一人様一枚まで。
希少価値も加わって、いつもよりもおいしく感じた
アジフライとキスフライ、イカフライがのった
魚河岸定食。
アジ不漁を嘆くヅカちゃんのコメントが
僕のログブックに書き込まれていたが、
自然のことは受け入れるしかない。
そう。
アンザイさんが教えてくれたばかり。
まさ