2020.7.12(日) 江の浦 透視度10m 水温19.4℃
水中の生物は、卵の育て方は様々。
ネンブツダイのように雄が卵を口の中で育てるタイプ、
アオリイカのように木や海藻などに卵を産み、放置するタイプ。
自分で育てるタイプ、産んでお終いのタイプ、
雄が育てるタイプ、雌がタイプ。
今の時期は、大瀬崎、井田、平沢でネンブツダイの口内保育が、
江の浦では、マダコの抱卵が。
特にマダコの抱卵を狙えるのは、江之浦だけかもしれない。
マダコの繁殖は、雄雌共に、生涯で最後最大の戦いになる。
雄は目当ての雌がいれば、猛烈な求愛をする。
その中で相手に気に入られれば、成功する。
ただ雌がいても、そう簡単にはいかない。
大抵の場合にライバルの別の雄タコがいるからだ。
互いに雌を手にするべく、体を変色させながら、
相手につかみかかる。
その際に足や胴体がちぎれてしまうケースもあるくらい。
そこで勝利で来た方に、求愛のチャンスが訪れる。
求愛がうまく行けば、交接が出来る。
交接が終われば、雄はここで力が尽き、生涯を終える。
ここからは雌の戦いが始まる。
雌は、お気に入りの岩の隙間を探す。
気に入れば、そこに卵を産出し、入口を隠す。
母ダコは卵に付着する砂やごみを丁寧、丁寧に掃除。
外敵のウツボなどが来れば、足で攻撃して、卵を守る。
産出から孵化するまで、期間は約ひと月。
来る日も来る日も卵を守り続ける。
その間、母ダコは一切食事をしない。
ひと時も離れることはなく、ただただ守り続ける。
栄養がなくなり、力が出なくなり、
肌がボロボロになって、衰弱していく。
こうして、無事孵化する事ができたら、
母ダコはここで生涯を終える。
父ダコ、母ダコ共に繁殖するために命をかけるのだ。
このことを知ってると、
タコの抱卵の見方が少し違う感覚になるかもしれない。
おそらく、抱卵が見れるのは今月いっぱい。
8月には見れないでしょう。
僕は今月、江之浦の母ダコの戦いを見守るとします。
ゆきや