2018/3/9・大瀬崎 透明度15mのち8cm 水温14.5℃
猛烈な雨を落として前線が通過していく。
嵐の去った大瀬崎は静寂を取り戻し、透き通った水をたたえ、僕らの到着を待っていてくれた。
水中写真家と言っても過言ではない、母せつこ(通称)とカワニシご夫婦、
ちー、あき、ちあき、まったくの他人なのに名前だけ聞くとグループ感がとまらない女の子3人。
優しく迎え入れてくれた大瀬崎の透き通る海の中で、春ならではの生き物たちにふれあい、
激写し、激見し、瞬く間の水中を過ごした。
春の西伊豆は、深海魚が産卵のために浅場に上がってくる。
ヒメイカや珍しいウミウシたちが旺盛に海底を行き来する。
アナハゼやメバル、カエルアンコウ、コウイカ、の生まれたての子どもたちが、
森のように深く生い茂る海藻に守られてすくすく育つ。
ダイビングがとても楽しい時期のひとつ。
海況に恵まれれば何時間でも潜っていたい季節。
満ち足りた気持ちで2本目までの休憩時間を過ごしている。
現地のパイセンインストラクターにウサギトラギスを見つけるコツなんかを聞き出して、
2本目の作戦なんかをポテチ片手にぼちぼちと・・・。
ふと海の方に目をやると、すると・・・。
沖の方からみるみるうちに濁流が押し寄せてくるのがみえた・・・。
あわてて、準備して・・・
濁った川の水が海水と混ざり合う前にと潜行してみるも、時すでに遅し・・・。
水深6mの海底でさえ視界8㎝、そこの暗さは昼のおばけ屋敷に匹敵、
潜水時間32秒の2本目のダイビングは、壮絶な記憶だけを残して終了したのでした・・・。
岬の外は、今まさに濁流にのみ込まれようとする清らかな海。
手前に映るのは、一度その泥にまみれた人たち・・・である。
まさ