2017/4/29-5/1・北海道支笏湖 透明度20m 水温4℃
山あいの日陰に残雪がわずかに残る。
長い冬が終わり、やっと始まった北海道の春に降り立つと、
懐かしい新鮮な空気が鼻を抜けて体全体に送り込まれていく。
あまりにもいい空気なのでもう一度、そしてもう一度大きく吸う。
ヤマメやイワナ、アメマスなんかを釣りに川に出かけられるのも、
シロとチビ(近所に捨てられていた雑種犬を飼っていた)に
湧水を飲ませるついでに、エゾサンショウウオなんかを捕獲したり、
ほぼ野生化していた少年時代の僕の動きはより一段と活発になり、
暗くなるまで海もしくは野または山で何かに夢中だったこの季節。
中でもとりわけ大好きだったのが「山菜狩り」だ。
裏山に入るとアイヌネギ(行者ニンニクともよばれる)やウド、
タラの芽、コゴミ、フキ、セリなどの山菜が一斉に湧いて出る。
特にアイヌネギは美味この上なく、
山で大量に採取してその日のうちにジンギスカンと一緒に食べると、
至高の喜びが口の中だけにとどまらず、身体全体に広がるのだ。
しかも行者ニンニクともよばれ体にもとても良い。
自分でさっきとってきた獲物でこんなにおいしく飯を食う。
こんなに楽しい事はない、当時も今もそう思う。
そんな季節限定で北海道限定の楽しみをもう一度。
そしてそれを一度みなにも体験してもらいたい衝動にかられ続けて20年・・・。
やっと実現した、
北海道アイヌネギ狩りそして支笏湖ダイビングツアー。
当初山菜狩りに懐疑的だった人達も、その味に驚き、
もっと頑張って採取すればよかったとあっというまに完食してましたね。
また食べたいって言いだすことでしょう。
130年の歴史をもつ丸駒温泉の名湯。
湖面に写る恵庭岳の山頂に沈む太陽。
薪ストーブを囲んで串に刺したチーズを炙ったこおばしい香り。
サントリー山崎の注がれたコップが傾くたびに響く名水の氷。
夜風にあたろうと一歩外へ踏み出すと、
星空と、夜行性のいきものたちの目がきらりと瞬いた。
支笏湖は、何度も水質日本一に選ばれた事のある景勝地だが、
最大水深346mのカルデラ湖が、わずか4℃の水をなみなみ湛え、
整地されていない湖畔には安易に人を寄せ付けないオーラしかない。
真っ黒な最深部へと向かう急な斜面の湖底には大昔に沈んだ倒木が折り重なっていて、辺りはとても静かだ。
アイスグローブとアイスフードを着用し、自分の排気音だけの静寂な青から黒への世界に圧倒される。
一転、
浅い湖底もしくは千歳川の川底には一面の草原が広がって、
木洩れ日に魚たちがキラキラ光り、何時間でも眺めていたい、
このままここで流れに身を任せ、ゆうゆうと移ろう風景を眺めていたい。
寒さだけ凌げれば・・・。と、そう思う。
最終日。
支笏湖から30分の僕の地元へ。
平屋の学び舎と実家、すぐ裏の広大な牧草地、
馬たちが駆ける太平洋に面した社台ファーム、
日本一長い28kmにも及ぶ直線の線路、
そして白老牛のステーキ。
僕にとって当たり前だった光景にみんながいる・・・。
何だか申し訳ないような嬉しいようなはずかしいような・・・。
でも紛れもなく、一番楽しんでいたのは言うまでもなく・・・
ぼくは密かに、またやりたいと思っています。
現地ダイビングサービスのイタヤさん、
快く見学させて頂いた小学校の校長先生、
アポなし突撃ゴメンね、かーちゃん、
実現してくれたみなさま、ほんとうに嬉しかったです。
ありがとうございました。
まさ