2019/8/30・伊東 透明度:まぁまぁ 水温:下の方冷たい
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1年と半月ほどだろうか。
ブランクの永い、最高位 7~歳の貴婦人達が続々と
AM6:00頃のお店に集まり始める。
片方の車輪が外れてしまったダイビング道具満載の
キャリーケースをひきずって来たのだとフサエさんは
息を切らし、綺麗な洋服が汗に濡れている・・・
妹のキヨコさんは大きなサングラスを外し、
もうこれで捨てる決心がついたわねと、
姉の心配よりもキャリーケースを捨てられる踏ん切りを悦び、
安く買えた自分のキャリーの話を始めた。
久しぶりの再会を悦ぶ暇さえ与えてもらえない
この展開の早さ・・・。
今日は一世一代の大勝負・・・。
この、只者ではない方達を海にお連れする。
この方たち全員無事に帰すという壮大な使命を帯び、
久しぶりの再会のあと、フンドシを閉めなおし、
インストラクターの大一番に臨む。
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4人の女性グループ に、唯一の男性、カワキタさんが加わる。
パワフルな女性たちに押されっぱなしで、加わるというより、
紛れているという感じの方が正しいように思う。
会話に耳を傾け、目尻を下げてほほ笑んでいる。
「お初にお目にかかります」とご挨拶するカワキタさんに、
フサエさんとキヨコさんは「お会いしたことありますわ」
と譲る気配がない。
僕は、初見に一票。
カワキタさんが数日前にこの日の予約をくれた時、僕は、
「強烈なメンバーが名を連ねてますが、良いですか?」
と確認したところ。
「別に とって食われるわけじゃあるまいし、オレは
潜れて旨いもんが食えて酒があればいーんだよ」
と仰られて、
ぼくは「わかりませんよ・・・」と返答した。
いま助手席で、タジタジになっているカワキタさんを見て、
あの時僕が言ったことがやっとわかったかな・・・と思う。
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と、この中にあって一人優雅に泳ぐみっちゃんは、
さすがにコンスタントに海に入っているだけあって、
息の合ったダイビングができる。
方向転換するときや、魚の群れが現われた時など、
ぼくにいち早く気づいてくれるので、案内しやすかった。
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と、対照的に、レイヒさんとはまったく目が合わないっ。
この写真も、全く僕を確認しないレイヒさんに、
証拠写真として突きつけるために撮ったんだった。(笑)
このあと僕はレイヒさんの進行方向にクマノミを見つけ、
近寄ってそのことを伝えようとした。
が、
僕の指差したクマノミから40°くらい左上ににズレた
何もない海中に顔をあげてOKサインを返してきたから、
おそらくクマノミは伝わっていないだろう・・・。
伊東の海は魚の群れが凄かったが、
「魚の群?見てなーいっ!」と飛び切り明るく言われそうで、
レイヒさんにはその確認をして、いない
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天の御味方もあり、2本のダイビングは無事終わった。
お美味しいご飯屋さんに場所を移し、
肝付きのカワハギのお造り、アオリイカの揚げ物を頂き、
みんなでつついた。
ハイボールやら ビールやら 熱燗やらがどんどんテーブルに運ばれ
てきて、
上述の出来事を肴に食事を楽しみ、
僕は皆さんの前で、勝手に勝利宣言を高らかに、した。
まさ