2021/5/5・井田 透明度12-8m 水温17℃
こどもの日。
まばらな人影の頭上には鯉のぼりが風にそよいでいて、
海底ではアオリイカが幾重にも重なり、
産卵のためのダンスを幾度も繰り返す。
岩の隙間には
アナモリチュウコシオリエビが文字通り
自分の住処である「穴ぐら」を守っていた。
浅瀬に戻ると、マメタワラのがうっそうと茂り、
水深3mほどの海は森に塗り替えられていて・・・
その茂みには、スナイパーが潜んでいた。
片や、写真練習。
片や、海草の森に包まれたいがために。
フリータイムを設定すると、
ぼくの視界における2人はカメラに没頭し、
その傍らでは海草にまみれて恍惚の表情を浮かべている。
「何時間でもここに居たい」と、とても幸せそうに。
茂みからこちらの様子を伺う彼と目があった時、
これが戦時下であったなら間違いなく僕は
狙撃されていたであろう、と背筋が凍る思いだった。
なぜか動かずじっとこちらを見ている彼。
戦慄はふつふつと面白さに変わり、
僕が彼にツアー料金を払うべきなのではないか、
というくらいに笑った。
写真練習も大成功っ。
ここに掲載したすべての写真はその成果。
スナオは、
初心者ツアーの若者たちとおしゃべりしながら。
アダルトな僕らは、
目いっぱい自分の愉しみだけを追求。
こどもとは無縁の、2021年5月5日こどもの日。
楽しませてもらったのに、
料金頂いてしまって、なんかすいません。
まさ