8月のダイジェスト
むかし・・・すこしだけあっつい季節があった・・・。
すこしだけ・・・そのむかしを振り返ってみる・・・。
2017/8/4・田子
日焼けするなら8月だっ。
車に乗り込むその直前まで、少しでも多くを露出していたい。
あとね、ビールを飲むなら8月だっ。
浅瀬へと移動していた田子の海の中で、突如ワラサの大群に囲まれた。
狩りの途中だったのだろうか。
ものすごい勢いでそれらは視界に飛び込こんできて、
何かを確認するかのようにぼくらの周りをぐるぐると回り始めた。
群れが去り、興奮顔を見合わせる僕ら。
ふと、ダイブコンピューターに目をやると、水深24mの深みに戻っていて・・・
そしてまた顔を見合わせる・・・。
一緒に映る、華奢なカッシー(略してキャシー)とその横のサスケはアドバンスの講習。
ワレカラというものすごくマニアックな海中の寄生生物を夏休みの自由研究の素材に選んでいて、
夏の繁忙期のぼくらをたじたじにさせていた。(笑)
ちなみに一番上のヒマワリの写真も、
みんなが寝ようとしている帰りの車を急停車し僕一人が降車し撮ってきたこの日のものである。
8/5・伊東
いくばくかの無念を抱えてスタートしたこの日のツアー。
その理由は千葉の「西川名」に向かうはずが、海況の悪化に伴いそれが叶わなかったから。
代案に選んだ伊東。
野球でも代役が結果を残すチームは強い。
この日の伊東は、ぼくらからあっという間に主役を失った喪失感を忘れさせてくれた。
おびただしい魚の群れに囲まれて、火照った体がどんどん癒されていった。
潜った後に、花ごよみのマスターに旬のアオリイカを造ってもらった。
そしたらなぜか、
パパさんとオータニさんの顔はどんどん赤ら顔になっていった。
8/6・井田
ご覧の通り、夏真っ盛り。
アドバンス講習担当のスナオが変なことしないか気になりつつ、
僕のほうはベテラン勢と一緒に深場へ直行。
水深32mから徐々に水深を上げてハクセンアカホシカクレエビやミジンベニハゼを狙う。
きれいな青色の空きビンに巣を作ったミジンベニハゼの黄色はとても映える。
夢中になってシャッターを切るが、深さ故アッという間に体内残留窒素は飽和点へ近づいてしまう。
その窒素の影響か・・・
なぜだか無性にフィンを脱ぎたくなったぼくは、裸足で海底を駆け上がってみたりした。
多分この光景をスナオが目撃したら・・・
変だ・・・と心配しただろうと推測する・・・。
8/11・城ヶ島
お盆に入る。
案の定、第三京浜も東名もそこを埋め尽くす車両で身動きが取れなかったらしい。
三浦半島方面は渋滞無し。ノーストレス。
城ヶ島のボートポイントとビーチポイントに分かれてそれぞれが潜り、
三崎港で水揚げされたマグロを食べて帰ってきた。
やお夫婦がアドバンス認定。やりましたっ。
全てが順調だと思っていた僕は、
まさか自分の履いている海パンが若い女の子たちを引かせていたことをつゆ知らず、ご機嫌だったのです。
短すぎる、キモイ、、、等々。
だって普通に売ってる海パンはいてるだけなのに・・・。
それを履く人間によっては、身に着けちゃいけない海パンも普通に売られている・・・
ということを学んだ一日でもありました・・・。
8/14・江の浦
みな初心者なのだが、別に意図したわけでなくミカは若い子たちを担当。
ぼくの担当はみな僕より年上、ゆえに40を超えてるということになる。
海の中、ぼくらより少しだけ先に進んでいたミカチームが、
水中の沈むオブジェ(ドラえもん型の石)の前で泳ぎを止めている。
どうせつまらないジョークでもかましているのだろうと近づくと、
割と真面目に中性浮力の練習をしていた。
一生懸命練習するその若い子たちに「おじさんの群れが通ります」とスレートに書いて見せる。
もうもうと砂煙を上げながら、
それさえ気にせず目の前の魚を夢中で追う40オーバーの群れが差し掛かる。
夢中ではしゃぐのは、何も若い子たちばかりではない。
そして夢中になってはしゃいだ場合、
かなりの確率でおじさんたちの方が可愛いことが多い。と、ぼくは自負している。
運ばれてきたご飯に喜ぶ若者と、
無事にビールにありつけた喜びをかみしめるアダルトと、
あなたにもそのコントラストがくっきりと見えるはず。(笑)
8/19-20・田子
夏の夜空にごうごうと炸裂する日本の美「花火」
船の上からそれを見ると海面にも映るから、単純計算だと二倍きれいということになる。
それに加えて、おいしいつまみと良いお酒がある。
こうなってくるともうその良さは2乗になったり3乗になったり、もう計算などできない。
ゆっくりと揺られながら大輪の花火を見上げるついでに良酒をぐびり。
真上に上がる花火の轟音と、それがやんだ時の静けさのなかに、船に当たる波の音がちゃぷり。
そよぐ海の風に乗って、夏の記憶を強烈にする煙硝の香りがふわり。
はかなくも強烈なたのしい思い出を残し、あっという間の2日間・・・。
時間よもう少しゆっくり行ってくれ、何度もそう思った。
8/21・田子
沖合の「沖の浮島根」の根頭。
水深11mの世界はいつもこんな感じだった。
ぐわわーっとあっちから来たと思えば、がばばーっとこっちから、下からもどばばーっとくる。
何十年も前に海外で潜っていたが、ほぼ記憶は皆無。伊豆に潜るのも初めて。
という方々をご紹介いただき、
「この日いかんによっては今後のダイビングライフに影響出るよ」
とプレッシャーをかけられて向かった田子。(笑)
一本目はものすごく浅いところで慣らし、二本目思い切って外海にお連れした。
どうですかっ??
これが僕の力・・・もとい、伊豆の海のすばらしさっ。
8/24-25・大瀬崎
お泊りの海洋実習の初日、
2本のダイビングの合間にシュノーケリングにいそしもうという魂胆のみなさん。
とそれをお連れするきゃしー。
この日の海は優しく穏やかにぼくらを迎えてくれて、
終始和やかにライセンス取得に向けた特訓ができたように思う。
ぼくが担当したのは小学四年生を連れた母子だ。
何でも自分でやってみたい年ごろで、でも出来ないとすぐに放り出す。
でもそれを克服した時の表情はぱぁっと明るくなって、
その顔見たさに大人も必死に励まし、見守り、あの手この手。
立派にできてたよナオ。
疲れ切ってお母さんにぐっすりともたれている姿も完璧だったよ。
やりとげて、ダイビングライセンスを自分で勝ち取ったナオには確実に応援団一人増えてます。
フィンキックしろナオ!
ちがう・・・。はばたけナオっ。
8/26・IOP
スイフトというコンパクトカーを1台借りてそのスポーティーな走りを体感しつつIOPへ。
そのせいでしょうか・・・
ぼくもスポーツモードにシフトしちゃったみたい・・・
そんなに泳がないって言ったのに、2本目、結局気づいたら2の根まで・・・。
あれはきっとスイフトのせいだと思います。
2本ともロングスイムなのに、結局エキジット場所のミナミハコフグの幼魚と、
南方種のヌノサラシが一番熱かったっ。
ということでごめんなさいー。
話してたことほとんどウソになってしまいましたっ。
8/27・田子
キャシーもたまーにたまたまいい仕事をする時がたまーにたまたまある。
この日の数日前にフタイロハナゴイという南方の綺麗なハナダイを見つけたというのだ。
普段伊豆では見れない種。
グッジョブ。見たい。
ミカにその場所を確認すると、「あぁそれなら私知ってますよ」という。
「あ、ほんと。よかったー」とぼくはそう返した。
よし、ついて行けば大丈夫とそこで話を終えてしまったのがいけなかった。
相手はミカ、もっと入念にディティールまで打ち合わせをしとくべきだったのだ。
ミカチームに少し遅れること潜降していくと、フタイロハナゴイ方面にミカチームの姿はなく、
自力であてずっぽうに探すも発見出来ない。
あてにしていたミカも、待てどくらせど来ない。
・・・。
さっきのあの会話の後で、よく別ルートを選択できるものだとつくづく感心する。
ふつーくるだろーこっち・・・
うなだれて浮上した。
写真はみたっちが撮った意図せざる一コマ。
おそらく2匹はひそひそと、ミカへの悪口でも言っているのではあるまいか?
いやまず間違いないだろう。
8/31・田子
この日の朝、珍事が起こる。
本人の強い希望もあり口外することは出来ないが、その珍事でこの日のツアー行きを断念した人がいた。
という訳で、若い女の子たちにポツンとおじさん一人投げ込まれたような構図。
ミカはこの日お休みで、車に空きがあるのをこっそり狙っていたようで、いそいそとついてきた。
さて水中はというと、ちょいとウネリがあるようだ。
洞窟に入りたいとお願いすると船長さんは心配そうな表情を浮かべていたが、
無茶は勿論しないので・・という約束で入れてもらった。
平日でしかもウネリもあって、僕ら以外には誰もこの日入った形跡はなし。
物凄い数のハタンポの群れと、
ものすごい数のイセエビ達が僕らの侵入に度肝を抜かれて慌てて逃げ惑う。
全く人の侵入を予期してなかったのだろう。その数、量、動きが凄かった。
そして狭い洞窟で僕らもわーきゃーうねりにに揉まれながら・・・(笑)。
若い君たちに言っておこう。
そう。これが海なのだ。
ごらん、
こんなに小さなウミウシ達もうねりをものともせずに、
種の保存という営みを粛々と進めている。
たくましく。
みじかかったね。8月。
おしまい。
まさ