2022/3/15・店番
メニューを吟味して、
親子丼と冷たいお蕎麦、それと蕎麦湯も忘れずに・・・
田園調布の老舗そば屋「兵隊屋」に出前を頼もう。
田園調布は第一次大戦後に軍人将校らが、
高台で地盤が固い同地に好んで家を建てたところから
地価が上がり現在に至っていると
以前に「ブラタモリ」で勉強した。
ここに開業したのが蕎麦屋「兵隊屋」。
名前の由来が紐解けた瞬間でもあった。
注文してから10数分後、いつものおじちゃんが
でっかいお盆を運んできてくれた。
尻尾を振り出迎えるコナツとボク、マイさん。
その後者2人に見向きすることなく
コナツを愛でるおじちゃん。
その光景に目を細めながらも、空腹の僕は
早くもお椀にかかったラップに手をかけた。
「これは新車なんだ」
大声でおじちゃんが外に止めたバイクの方を見た。
「出前機もパンダ出前機っていうやつあんだよ」
畳みかけるように。
「ちがう店のやつをうちが引き取ったんだっ。」
とても嬉しそうに。
「ちょっと来て見れ」
と言いながらもう外に向かって歩き始めてる。
新しいバイクの事、
出前機の珍しいメーカーの名前について、
その出前機を塗装するつもりがあるらしいこと、
とてもうれしそうに、たくさん語ってくれた。
僕の気づかないところで、
人生は色んな喜びに満ちているものだ。
気づかされてとても明るい気持ちになった。
やっと蕎麦にありつけたころには、
蕎麦はみずみずしさを既に失ってはいた。(笑)
まさ
イイ話だなあ。田園調布の老舗お蕎麦屋、兵隊家さん。出前の新車、話好きの大将と小夏。ポエジイ溢れる或日の情景描写、流石、文人ダイバー、野球人マサさんの、生き生きとした筆致、見事なるストローク、筆力と、改めて、感嘆し候。
これ、「永遠の今」、Eternal Now、と存知上げ候。
… このシーン、『オーシャントライブの静かな日々』の中の一篇として、何処かで「使えるカモ」です。。
畏れながら、勝手に使っても、よ御座んすか? メルシー アバンス 恐々頓首
ふくいさん
そーなんですよ。
僕にとって無機質な機械が、おいちゃんの喜んでる姿に照れながら・・・そして誇らしげに、喜んでるように見えてきたのです。
そうそう、ふくいさんから頂いた「開かずのローリングス」(グローブ)もお見せしたい。
ボクと感情を共有して、
グラウンドで闘志むき出しの相棒になってますよー。
PS:ふくいさんの小説の一幕になれば幸いすっ。
まさ