2020/12/14-15・熱海-IOP 透明度12-18m 水温20℃
熱海の ”ビタガ根” にまっしぐら。
”沈船”に向かうマサシ達には一瞥もくれずまっしぐら。
もう僕たちの頭には、この ”ボロカサゴ” しかない。
気がはやり過ぎて一人でどんどん潜降を続ける
せっちゃんを何とか制止しつつ・・・
ビタガ根方向に降りていった。
途中、老成したウツボが力なく横たわっていた。
おそらく、
数時間後には有機物として他の生物達の糧となるだろう。
「ここまで立派に成長し、よく生きてきたね」
ウツボの身体をなでて称え、心の中で手を合わせた。
と、そうしてる間もせっちゃんソワソワ。
「ボロカサゴ」しか眼中にないのだからさもありなん。
その先5mのところに、「彼」は居た。
精巧な紫の模様を散りばめた、お洒落な衣を纏いて
海底に鎮座していた。
息をのむ美しさに感動すら覚える。
誰がこんな美しい魚に「ボロカサゴ」なんて名前を
つけたのか・・・。
ハゴロモカサゴとか、アナスイ(ANNA SUI)カサゴとか、
どうであろう??
あらゆる角度からの撮影会が始まった。
出逢えるチャンスはめったにない、
このうつくしい希少種を囲んで、
カメラと脳裏にその姿を焼き付ける。
そしてこのダイビングでも一つ記念すべきことが。
イシムラさんの700本。
僕の大物運の無さは御周知の事と思うが、
僕が”影”ならイシムラさんは”光”。
マンボウやハンマーヘッドシャークなど
はずしたことがないと言うくらいの強運の持ち主で
何度あやからせてもらった事か・・・。
たくさんの思い出と強運のおすそ分け、
今まで本当にありがとうございました。
なかなか独り立ちできる気がしないので・・・、
これからもお慕い申し上げますっ。
記念日に、記念すべき生物に恵まれた熱海。
沈船や洞窟ポイントが取りざたされることが多い熱海ですが、
”ビタガ根”や”ソーダイ根”の方がむしろ生き物的には面白い。
みずきお手柄のクダゴンベ。
ソフトコーラル群が広がる-20m付近の海底は起伏に富み、
生き物たちの密度が一気に上がる。
マツカサウオやら、各種甲殻類、サクラダイの群れ、
ガラスハゼやスケロクウミタケハゼなどが
ソフトコーラルに多く着生している。
巨大なソーダイ根の逆側の斜面を下っていくと、
そちら側の地形はさらに切り立ちハナダイの仲間が
乱舞している。
3本目、そちら側に降りていくと
スジハナダイやナガハナダイが求愛し、
縄張りを巡って争い活発に動き回っていた。
フタイロハナゴイも見つけたし、
キツネベラの幼魚も発見!シテンヤッコの幼魚もいて、
ダイブコンピューターが帰りを促してくれなければ
危うい所だった・・・。
ビタガ根とソーダイ根で3本。
たっぷりと遊んで、夕陽しずむ田園風景を眺めながら
修善寺へと帰る。
そう今日はお泊り♪
熱海での撮れ高と、700本の歴史と、
すぎ屋の美味しい手料理を肴にして、
2020年潜り収めの夜は更けていく。
二日目のアフターダイブは、小田原のイタリアン。
女子大喜びテラミス添えで。
まさ