2019.11.21~22(木・金) 田子 透視度8~10m 水温21℃
1994年生まれが4人揃ったこの日、
ハイエース車内は、同級生の旅行かのような雰囲気に。
フェス好きの彼らは、
『この曲が良い』と次々と要望を伝えてくる。
普段とは違う曲をかけながら、西伊豆は田子へと向かう。
合間合間に、
僕がよく観るボイストレーナーのYouTubeを聞きながら、
マネをして、原曲を聞いて、再度YouTubeを聞く。
次第に4人の耳は、そのボイストレーナーの独特の歌い方が
耳に残り、頭から離れなくなっていた。
早く外洋に出たい彼らの欲求を抑えつけ、
まずは湾内で今までよりも厳しく、難易度を上げて練習をする。
『12mでキープ』、
『次は9m』、
『その次は7m』、
『ラストは13m』。
段階的に深度を変えていく。
っが、彼らは難なくクリアしてしまう。
正直、悔しい。
それならばと、ウェイトを1,2㎏渡してあげる。
予想通り、皆で水底に落下し、砂が巻き上がる。
『ざまあみろー。』
喜んでいたのも束の間、合計6㎏のウェイトを渡した僕は、
必死に浮かないように空気を抜く羽目に。
肺の空気を限界まで吐き出す。苦しかったなぁ。
いろいろとハードな中性浮力練習を終え、
裏にある多胡神社で松ぼっくり遊びをして、
ちょっと疲れた僕たちは、
ダイビングサービスへと戻り、歌を熱唱していた。
主に僕が。
こうして彼らの頭の中には、
僕の独特の歌い方と歌声が刻まれていった。
そして、僕はボイストレーナーの歌い方の特徴を
とらえるようになっていた。
しこたま遊んだ僕たちは、
楽しさに夢中になっていたせいか、
あっという間に時間が過ぎていき、
夕陽は真っ赤になりながら沈み、
真っ暗な夜の海を潜り、夜光虫と戯れ、
気がついたら、祝杯を挙げていた。
同い年どうしの講習は、想像していた通り、
日を跨ぎ、タイちゃんの眼は真っ赤になっていた。
水深25mから下に行くと何故か記憶が曖昧になる人がいたり、
逆立ちを知らない人がいたり、
僕にナイフを向けられたりする人もいたけど、
水中で僕を自由に歌わせてくれたから、許してあげる。
お陰様でだいーぶ、上達した気がします。
ありがとう。
やっとAOW。
せっかく、行ける海が広がったんだから、
思う存分いろんな海で歌おう。
とりあえず、おめでとう。
ゆきや